こころとからだの建築家BLOG

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企業のビジョン −「eneloop」の投じた石の波紋はどう広がるか?

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     しばらく前から気になっている家電メーカーがある。松下でもソニーでもない。三洋電機だ。どちらかというと経営面での問題がクローズアップされているところもあるが、その商品開発のスタンスはとても素晴らしいものがある。

    2005年7月新体制発足にあたり掲げたビジョンは“Think GAIA”

     どのメーカーも同じようなビジョンを掲げているが、どれもとってつけたような文句でしかない中、三洋電機の商品開発、対外活動などに対する姿勢は一番明快でわかりやく積極的だ。

    1997年から開発をはじめ、2001年の発売と同時に大きな話題をさらった
    ・洗剤のいらない洗濯機

    2005年に発売された「Think GAIA」商品 第一弾
    ・乾電池にかわる21世紀の新電池「eneloop」

    2006年には
    ・世界初! 空気(オゾン)で洗う(除菌・消臭)「エアウォッシュ」機能搭載ドラム式洗濯乾燥機
    ・水の力で、空気を洗う!電解水技術で除菌 ウイルスを99%抑制する「virus washer(ウイルスウォッシャー)機能」搭載商品


     「洗剤のいらない洗濯機」は洗剤業界との間で論争になり、ECOブームにも乗って大きな話題をさらった。他社の追随もあったが、先頭を切って発売したその積極的な姿勢は素晴らしい。そして洗剤を使わないと綺麗にならないと思っている消費者に一石を投じた点でも意味のある商品であった。

     そして昨年発売された、乾電池にかわる21世紀の新電池「eneloop」は「この一本の電池から、きっと未来は変わっていく」というキャッチコピー通り、時代と捉えた素晴らしい商品だ。

     その大きな特徴としては
    1. 1年置いておいてもそのまま使える(今までのニッケル水素充電池は使わないと自己放電してしまった)

    ■三洋電機HPより

    2. 今までの充電池の2倍近い1000回の利用が可能

    3. 低温でも強い

     私もデジカメに充電池を使っているが、自己放電してしまって大事なときに使えないのが大きな悩みだったが、この問題を「eneloop」は解消してくれ、これで乾電池を買い置きしておく必要がなくなった。この一つの改良がもつ意味はとても大きい。これにより、使い捨ての乾電池との比較で劣る点は価格だけになったと言ってもいい。

     デザインにも力を入れ2006年度グッドデザイン賞金賞受賞。「eneloop」というキャッチーな名前を付け、プロモーションもさることながら、今までの充電池のマイナス点をほぼクリアし、自社のビジョンにピッタリの商品を生み出した。リサイクル先進国、ドイツやシンガポールでも好評を博し、発売以来10ヵ月で累計約1000万本以上を世界に出荷しているという。

     素晴らしい商品であることには変わりないのだが、手放しに賛辞を送れない面ある。私は電気もないような場所に旅をすることがあるので、乾電池も使えるデジカメを愛用しているが、最近のデジタル家電をはじめとする機器類は独自の充電池を採用し、本体が小さくなるにしたがって乾電池を使うものは少なくなってきている。そして、乾電池を使うような小さな時計やおもちゃに1000回も使うことができる充電池を使うか?というと、そこまで積極的な消費者は限られる。乾電池はイニシャルコストは低いが、ランニングでコストがかさむ。逆に「eneloop」等の充電池ははイニシャルにある程度かけなくてはいけない。まずは低価格化を実現しなければ、裾野は広がっていかないだろう。そしてここ数年で次世代の燃料電池も実用化の目処がつくだろう。現状での商品の性能やネーミングは素晴らしいし、プロモーションも素晴らしかったが、斜陽産業の革命児となっては意味がないので今後このインパクトを維持していくためには新たな展開のためのさらなる一手が必要だろう。

     しかし、国内だけでも年間約23億本といわれる乾電池市場から、年間約5.7万トンの使用済み乾電池が発生しているという。これが全部「eneloop」になったらどれだけのゴミとエネルギーがセーブされるだろう。さらに太陽発電を使ってこの「eneloop」を充電する機器と、充電式カイロも発売された。まだまだ価格は2万円近くと高いが、全ての「eneloop」がこの充電器を使って充電されれれば、乾電池はほぼサスティナブルなエネルギーに取って代わる。災害時などにも太陽電池なら対応できる点も見逃せない。カイロも従来のものは一度使い始めると途中でやめることはできなく、エネルギーが無駄になっていたが、このカイロは電池式なので途中で止めることができ、無駄がない。半分ギャグのような商品だが、大まじめに取り組む姿勢はとても好感が持てる。充電池自体が今までなかったわけではないし、考え方自体も特別新しいものでもない。しかし「Think GAIA」のビジョンを掲げた企業イメージに沿い、「eneloop」の持つポテンシャルを時代にマッチさせ、自己満足的な環境配慮に終始することなく充電池を広めるべくリ・プロモートした成果は大きい。

     同じくもの作りをする立場として、社会に一石を投じるこうした企業の積極的な姿勢には敬意を表し、自ら使い広めていくことによって応援していきたい。

     まずは小さな一歩かもしれないが、きっと未来は変わっていくと確信している。

                      (2006.12.23 加筆修整)

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    この記事に対するコメント

    今日、bic cameraに行ったら一杯売ってた。
    結構一押しみたいだね。

    値段もそんなに高くないし、あれはいい。

    個人的には、各カメラメーカーに対応した特殊な形のも作ってほしいな。
    自分の持ってるカメラに使おうとすると、バッテリーホルダーも各種また買わなくちゃいけなくなるから、面倒だし、なによりカメラが重くなる。。
    サワイ | 2006/12/25 11:32 PM
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